真・スズキ王国

GSX-R750に乗るノンケライダー(大嘘)がバイクのあれこれを書くブログです。

ガバガバ整備入門 第3章 オイル交換編

はじめに、整備入門の初級みたいに扱われる事が多いオイル交換だが実際にやってみるとなかなかメンド臭いので、どうしても自分でやってみたい人以外は回れ右してバイク屋さんや量販店に丸投げしよう(終了)。

f:id:J_shima:20200331202628j:plain

 

大切なのは交換の頻度を把握している事である。一般にはエンジンオイルの交換は

3,000~5,000kmに1回もしくは6ヶ月に1回と言われている。

後者に関しては、エンジンオイルの添加物は時間が経つにつれ酸化し劣化するので、乗っていなくても性能が落ちるという話。チェーンなどに比べると頻度が低いので忘れがちになり、滅多にないと思うが数万kmオイル交換しなかった日には最終的にエンジンが焼き付くなどしてご臨終である。バイクは車に比べ趣味性が高いので乗り手がそこまで無頓着な場合は考えにくいけども。

 

オイルを選ぶ

特にこだわりも興味も無い人は量販店で「オススメか純正と同じやつ入れてください。」と言えば店員さんが車種リスト確認しながら全部やってくれるゾ。

 

純正とは別のオイルを入れてみたい場合、まずは自分の車種の指定の粘度を把握しよう。webike等で調べればスペック表に必ず載ってるので要チェックや。

カタナ400の指定粘度はオーソドックスな 10W-40 

10Wは低温時、40は高温時を表している。メーカーによって基準は違うけど、要するに「10から40(だいたいマイナス◯℃から◯℃までといった感じ)の間なら粘度を維持できるよ」という意味合いである。

詳しくは省くけど、常に高回転高負荷をかけるレース車両等は高温時でもオイルの粘度を維持できる15W-50や20W-60の指定であることが多い。こうしたオイルは寒冷地での使用は考慮されていないので低温側は高く設定されている。

 

基本的に粘度さえ合っていればオイルは何を入れてもOK。

オイルには大きく分けて3つあり、値段の高い順に

全合成油(100%化学合成油とも呼ばれる)

部分合成油

鉱物油

とあるが、勘違いされがちなのは基本的にエンジンオイルは原油由来なので、化学合成油というのは少々語弊がある気がする。詳しくは省くけど、オイルは基本的にベースオイル(α-ポリオレフィンという高分子。これの重合度が大きい=分子鎖が長いほど硬いオイルになる)と添加物からなっており、原油からどれだけ不純物を取り除いて抽出するかでグレードに差が出る。添加物に関してはメーカーによって様々で、モチュールは金属吸着性の良いエステルを配合しスラッジの吸収効果を上げている模様。

 

全合成油は上述の通り極限まで不純物を取り除いた高級志向のオイルで性能も値段も高い。車種によってはむしろオーバースペックな場合もある。

 

部分合成油は不純物をそこそこ取り除いたオイルで、お安いグレードはだいたいこれ。

 

鉱物油は安い半面不純物が多く劣化も早い模様。詳しくは知らないけどシリンダー内部のクリアランスの大きい旧車は鉱物油の方が適しており、逆に分子が微細な全合成油なんか入れた日にはお漏らししまくり死亡するとか。

 

オイルの銘柄は用途によって選ぼう。通勤街乗り向け、ツーリング向け、レース用などいろいろあるけども、基本的には売り場にガイドが書いてあることが多いのでそれを見て決めよう。おそらくここを見ている人は圧倒的にツーリング用途が多いと思われるので、どこの店にも置いてある定番のツーリング向け全合成オイルを少し紹介するゾ。レース用オイル(モチュール300Vとか)入れる人はこの記事見ないと思うので省略します。というか入れたことないのでわかんないです(無知)。

 

  • ワコーズ プロステージS

全合成でリッターあたり2,000円弱とコスパの高いオイル。部分合成油から少しグレードアップしたい人にお勧め。カタナ400の場合は夏場に高回転域でギア抜けが起こって怖かった(小声)

 

  • ワコーズ 4CT-S

プロステージSよりさらにグレードの高いツーリング向けオイル。入れたこと無いけどなんか良さげ(適当)

 

現在カタナ先輩に入れているオイル。リッターあたり3,000円弱のブルジョワオイルで、エステル配合により洗浄効果が高いらしいけどよくわかんないです(鈍感)。

 

  • エルフ moto4 pro tech

以前入れていたオイル。4,000km走行後もギア抜け等起こらずシフトフィールも大して悪化しなかった優秀なオイル。次回はこっちに戻そうかな。

 

他には定番はレプソル系とかカストロールとかいろいろあるゾ(適当)。

 

言い忘れたけど自分のバイクのオイル交換量も把握しておこう。

カタナの場合は

フィルター交換無しなら2.7L

フィルター交換有りなら2.9L

どちらにしても1L缶3本必要なのでお財布のダメージはそこそこですね(クソレビュー)。

無駄にロングストロークなエンジンなので400ccの癖にやたらオイル容量が多いのである(愚痴)。

お店によっては定番オイルに限り量り売りが可能な場合もあるので積極的に効いてみよう。

ちなみにオイル交換2回に1回はフィルターも交換しよう。適合品は店員さんに聞いて確かめよう(丸投げ)。

f:id:J_shima:20200331203259j:plain

 

あっそうだ。ドレンパッキン(ドレンワッシャー)は必ず交換しよう。1個100円くらいなので、これをケチってお漏らしした日には目も当てられん。(2りんかんでオイル交換頼むと最初から工賃に含まれてるらしいゾ。)

 

買うものをまとめると

  • オイル
  • ドレンパッキン
  • (フィルター)

 

必要な工具とか

  • ゴム手袋

人によってはオイルが手につくと手荒れを起こすのであれば安心。耐油性がベストだけど、使い捨てるなら安いやつでもOK。

 

ドレンボルトを緩めるのに必要。スパナやモンキーだとボルトを舐める可能性があるので、しっかりとボルトをホールドできる工具を使おう。

 

フィルター交換する際に必要。フィルターはメーカーによって規格が違うのでサイズは調べてね(お約束)。

 

  • トルクレンチ

できればあった方が良い。ドレンボルトを締める際に力加減をミスるとオイルパンを破壊しエンジンがご臨終となる。

 

  • オイル受け
エーモン オイル受皿 5L 1600

エーモン オイル受皿 5L 1600

  • 発売日: 2012/05/09
  • メディア: Automotive
 

排出したオイルを受け止める用の容器。オイルがこぼれなければ何でも良い。当職のはホムセンで買ったトレイ

 

  • オイルジョッキ

新しいオイルを移して注ぐ。できればあった方が良い。目盛りがあるとなお良い。どうせ分けて入れるので小さくて場所も取らない1Lの物がおすすめ。

 

オイルがあちこちに付くのでそれを拭く用。

 

  • ペットボトル

廃オイルを保管する。(後述)

 

 

 手順については調べれば腐るほど出てくるのであまり掘り下げては書かないけど堪忍。

f:id:J_shima:20200331202618j:plain

f:id:J_shima:20200527001539j:image

f:id:J_shima:20200331203416j:plain

火傷しない程度に暖気したらオイル受けをセットしドレンボルトを緩める。硬くて外れない場合はスパナ等でボルトをコンコン叩くと緩めやすくなる。なお投入口の蓋をあらかじめ緩めて空気を入れておいた方がオイルが出やすくなる。

ある程度緩めた後はドレンボルトを手で外す。(工具がオイルまみれにならないようにするため)

 

f:id:J_shima:20200331203419j:plain

オイルがドバーッと出てくるのでしばらく待つ。最後の方はまたがって車体を立てると最後まで絞り出せるゾ。

 

ドレンボルトをパーツクリーナーで軽く拭いたら新しいドレンワッシャーをセットして規定トルクで締める。カタナ400の場合は20Nm。

 

 

f:id:J_shima:20200331204036j:plain

新しいオイルをジョッキに移し投入口からぶち込む。といっても空気が混入しすぎないように程々の速さで入れる。ビールを注ぐ感覚に近い。

ちなみにオイルをぶち込んでいる様子は一人では撮れないので無いです。許して。

 

カタナの場合フィルター交換なしで2.7Lなので2杯目まではわりとアバウトに入れ、3杯目はジョッキの目盛りに合わせながら入れていく。

 

当職はいつも2.6Lくらい入ったあたりから逐一車体を立ててオイル窓を確認している。だいたいオイル窓をみて最大ラインに達したら一度蓋を閉めてエンジンをかけて少しアイドリングしてみる。

 

f:id:J_shima:20200331204149j:plain

エンジン切ってもう一度オイル窓を確認するとほぼ間違いなくエアが抜けて位置が下がっているので、またちまちまと足していく。良い感じに落ち着いたら終了。

 

1人だと車体を立ててオイル窓を確認するのは危険を伴うので、当職はいつも跨った状態で手を伸ばしてスマホのインカメでオイル窓の写真を撮って確認している。正直面倒なので、メンテスタンドがある人は最初から車体を立てておいた方が良い。

 

廃オイルはペットボトル等に詰め替えて2りんかんに持っていけば無料で引き取ってくれる。2りんかん is god。なのでわざわざ廃油パックで処理する必要など無い。自治体によっては廃油パックだろうが何だろうがオイルは捨てられないとこもあるし。神奈川県S市、お前の事やぞ。

 

とゆーわけでオイル交換の手順は以上である。正直メンド臭いので興味のない人はお店にお任せしてしまった方が良い。年に2回以上交換する人なら2りんかんのオイル会員になれば工賃分の元が十分取れる。(今回やたらと2りんかんの話が出てくるけどステマではないゾ。)

 

じゃあ何故当職はわざわざ自分でやるのかというと、しょっちゅう銘柄を変えたりするのでオイルの劣化具合を自分で確認したいというのが主な理由。自分で弄くり回してるからこそ些細な変化に気づく事も多いし。ま、端的に言えば趣味だからって事でOKである。自分からオイルまみれになりたいマゾ豚野郎かな?

 

とゆー事でまとめると、

  • 興味のない人は量販店やバイク屋にお任せでok。ただし交換の頻度、最後にいつ交換したかは把握しておこう。
  • 自分でやる人はケチらず工具を揃えて万全の体制で行おう。

の2点。

 

まとめ

以上で3回にわたって書いてきた整備入門編は終了。他にもバイクの整備項目は腐る程あるけども、とりあえずはタイヤ、チェーン、オイルの3点を見ておけば余程状態の悪いバイクでなければ走行に支障は無いと思う。時には点検に出してバイク屋に金を積み、トラブルを事前に回避出来るようにしよう。どちらにせよ金はかかるのだ。

今回メンテナンスのすすめとして3つの項目について書いてきたが、単にネタを無理やり絞り出しただけでなく若年層のライダー(読むかわからんけど)にも整備の重要性を広めていきたいという目的がある。長年バイクをイジリ倒しているOJISAMA達にとっては当然のような内容だったかもしれないが、少なくとも当職の周りだとここで書いてきた日常点検すらまともにやらないズボラ野郎ばかりなのだ(ハム太郎)。大学の駐輪場とか見るとひでーもんで、2半(R25とか)に下痢便マフラーやらステッカー貼りまくってる割にチェーンは錆びて真っ赤とかザラある。

旧車に乗ってるからこそ言えるが、国産だろうが何だろうがバイクは適切にメンテしてなけりゃ普通に壊れるので覚悟決めろ(鋼鉄の説得力)。良い子のみんなは自分の愛車を大事にしようね!お兄さんとの約束だ。

f:id:J_shima:20200527004500j:image