ガバガバ整備入門 第2章 チェーンメンテ編
2章はチェーンメンテについて書いてくゾ。
駆動系の命綱であるチェーンに不具合があるとダイレクトに死に直結するのでここはタイヤと並んで重要。我流だけど基本的にどんな車種もやり方は一緒のはずなので参考程度に見てくださぁい?
張り調整
走りっぱなしだとチェーンは伸びるものなので、だいたい2,000kmくらいの間隔でチェックすると良い。教習所ではチェーンの張りはセンタースタンドがメンテスタンドを立てた状態で見ろと言われた気がするが別に無くてもok。
用意するもの
- ソケットレンチかメガネレンチ
アクスルボルトを緩める用。要するに安全にアクスルボルトを緩められるものなら良い。車載工具だとパワーが掛け辛いのでちとキツイと思う。
- モンキーかスパナ
チェーンアジャスターナットを緩めたり締めたりする用。こちらはそれほど強い力では締められていないので車載工具があれば十分。
- 定規
チェーンの張り値を測る。勘は駄目だゾ。
- トルクレンチ
できればあった方が良い。
アクスルボルトは一般に90Nmくらいのゴリラトルクで締めなきゃならんのでトルク不足になりがち。
実際にやってみる
だいたい前後スプロケの中間あたりを押し上げ、規定よりも伸びていたら調整が必要となる。この時はガバにガバが重なり新品からだいたい5,000kmくらい走ってからの調整なのでかなり伸びていた模様。
カタナ400の適正値は15〜25mmだけど、一説には当時よりも現代のタイヤの方がトレッドが硬い分サスストロークが大きくなっているとの事で、最大で30mm程度まで振れ幅が出来るように調整する。
まずはアクスルボルト(ブレーキディスク側)を緩める。
と思ってもうちのカタナくんはマフラーが邪魔で力が入らず外せないので、しゃーないのでナットの方(チェーン側)を十字レンチで緩める。
気をつけて欲しいのはアクスルナットは外す必要は無く、手で回せる程度に緩めればok。
前述の通りアクスルボルトは90Nmくらいで締められているので小さいスパナやモンキーで外す事はまず不可能である。下手すっとボルトを舐めてバイク屋送りになるので素直に大きめのメガネレンチやソケットレンチのようなしっかりとボルトをホールドできる工具を使おう。
アクスルボルトを緩めたらチェーンアジャスターナットを締めて(先に固定ナットをある程度緩める)チェーンを張っていく。
このとき、最初の状態での目盛りの位置を記録するか写真に撮っておくことをお勧めする。
チェーンの張りがだいたい適正値になったら今度は反対側も同様の操作を行う。左右のバランスが取れていないと上から見た状態でタイヤが傾いた状態になり挙動が狂うゾ。左右の目盛りを再度確認し位置が揃いバランスが取れていればok。カタナの場合、アジャスターナット1/4回転程度でもかなりチェーンの張りが変化するので結構調整が難しい。
なおメンテスタンド等を用いずタイヤが設置している状態で調整を行った場合、締めすぎた時に再び緩めても元の位置には戻せない。そんな時はどうするか
リアタイヤを蹴り飛ばして元の位置に戻しましょう(筋肉バトル)
この方法なら失敗しても再度調整が可能だゾ(バイク虐待おじさん)
調整が完了したら固定ナットを締めて位置を固定。最後にアクスルボルトを締めて終わり。なお当職は外す時はクソ適当だが締める時は必ずトルクレンチを使って90Nmで締めている。ここが走行中に緩んだら痔☆ENDなので真面目にやろう。以上で張り調整は終了。
チェーン清掃&注油
注油に粘度の高いルブを使っている場合、次第にゴミやらチリやらが付着したルブ糞が蓄積していくので掃除しよう。そんなにないと思うけど、あまりにルブ糞が蓄積するとフリクションロスが大きくなりパワーや燃費が落ちたりする。なお頻度は…汚ねえと感じたらですかね(適当)。
清掃方法は適当にチェーンクリーナーをブチまけて歯ブラシ等でこすり、ウェスやボロ布で糞を拭き取っていくだけ。ただしルブ糞はネットリとこびりついてなかなか取れないのでこれが結構な重労働である。
あっそうだ。清掃時は前のスプロケカバーも時々外して掃除のついでにスプロケの状態も確認してみよう。スプロケカバーの外し方は車種によって違うので調べてね(丸投げ)。スプロケの交換時期は…歯が尖ってきたらですかね(適当)。基本的にチェーンと前後スプロケは同時交換が良いらしいので、両者の消耗具合は時々確認しよう。
注油の話に戻るが、ここからはチャンクリストから着想を得た自己流なので興味のない人は読み飛ばして、どうぞ。
前述の通りルブは掃除が大変なので当職はルブではなくエンジンオイルの残りとホムセンで買った高粘度チェーンソーオイルを1:1で配合した自家製チェーンオイルでチェーンメンテしている。
特徴はルブに比べて持ちが悪い(500kmくらいで油膜切れ)が、反対に粘度が低い分糞が蓄積されないので掃除がとても楽な事である。オイルそのものはルブと変わらずゴミやら砂を吸うのだが、最終的にオイルが飛んでプレート部には微細なチリ汚れが残るだけで、チェーンクリーナーを使わずともウェスで簡単に拭き取れるのである。
メリットは上述の通り掃除が楽である事、ルブに比べて錆が発生しにくい事かな。
デメリットは最初の通り少し持ちが悪い事と、スプレータイプのルブと違ってオイル差しを使った注油作業がめんどい事だろうか。といってもローラースタンドやメンテスタンドがあれば屁でもないが。
今更だが結局のところトータルではルブとオイルの労力はそこまで変わらん気もしてきた。好きな方を選べば良いんじゃないですかね(無責任)。
見ての通りオイルでメンテすればチェーンはピッカピカである。なおこのチェーンは既に新品から9,000km走行済みだが状態は良好、あと10,000kmは安泰だな。
なおオイルは注油した直後の走行ではタイヤ、フェンダー、スイングアーム等にオイルが飛びまくるのでなんかゲイ術的になる。初めての場合は注油の加減に注意しよう。
なおシールチェーンへの影響は不明なので真似する人は自己責任で。
オイルによる注油を始めてから3000kmほど経過しているが、DIDのシールチェーンに関しては今のところ全く異常は見られない。誰か他のメーカーでも実験してください?(他力本願)
注油方法
特にこだわりが無い人は量販店で適当なチェーンルブを買い、だいたい1,000km未満のペースで注油しておけば何の問題もないゾ。
注油方法はわざわざ説明するほどでもないが、全てのリンクに適量を吹き付けて油膜ができるようにすればok。ローラースタンドやメンテスタンド等でリアタイヤを回せる状態にしておくと作業は飛躍的に楽になる。
最後に、ここまで読んでチェーン関係の整備メンド臭ぇなぁと思ったモノグサ兄貴は回れ右して量販店にお任せしてしまうと良いゾ。
今時は金を出せば2りんかん等の量販店で掃除もしてくれるし張り調整も込みで数千円でお釣りが来るはず。乗りっぱなしで何もしないのが一番マズイので、自分でやるかは別としてチェーンを良い状態に保っておく事を忘れないようにしよう。お兄さんとの約束だ。道の駅とかでカスタムは豪華なのにチェーンはサビまくり&たるみまくりのバイクを見るととても悲しい気持ちになるからね。
ちなみに我輩は単に暇だからという理由でチェーン掃除したりします(盆栽の鑑)。